あこがれ

あたらしい朝

上海へ行きました。噂に聞いていた通り、夜景がとっても綺麗だった。同行者が運転する車の後部座席から、右へ左へと広がる輝きを眺めていると、自分の身体が芯を失って、空気と同化していくような気がしました。自身の処理能力をはるかに超えるうつくしさと…

胃と熱

怒りをこらえているときの感覚と、空腹を我慢しているときの感覚はよく似ている。仕事中に発狂したくなった場合を考えて、私はあえて食事を抜くことにした。内側から湧き上がってくる衝動を抑えつけるためには、体の中心に強く力をいれなくてはならない。そ…

恋愛と破壊がだいすき

布団の中で泣きじゃくりながら、なるべく楽しいことを考えようとしたのですが、どんなにがんばってみてもあのひとのこと以外は何も浮かんでこず、余計につらくなるだけでした。楽しいことというのはたいてい他人とするものですし、最近の私にとっていちばん…

失恋しました

失恋しました。なんだか私の人生、ふられ通しだなという印象があります。でも、ここまで酷いやつはひさびさです。手足が震えて、震えて、とても力が入りません。それに気持ちが悪いし、吐き気だってする。体全部が心になっちゃったみたい。精神状態と身体症…

romantic

理科の授業で使う実験道具を指さして、「ロマンを感じるね」と言ってみたのだけれど、うまいこと共感してもらえませんでした。夜空や深海のうつくしさと、退屈な形状のガラス管を同列に並べたてようとするのは、あまり一般的な価値観ではないとのことです。…

20171121

短歌というものは簡潔に研ぎ澄まされているからこそ光る表現なのであって、こういうことをするのは野暮かな、とも思うのですが、日々の記録を兼ねて。 今日の店予約しといてくれたんだ 次はいっしょに遭難しようね とてもすてきな友だちがいます。立ち振る舞…

ロマンスグレーにあこがれて

どうしてもかなえたい人生の野望があります。それは、たった一度でいい、すてきな老紳士と恋に落ちることです。 なにもいますぐにとは言いません。私はまだ二十歳そこそこのお子様です。少女性溢れる若い女性と孤独な老人のラブロマンス……、というのもまあ悪…

お母さんには秘密

とても好きなひとができたことを、お母さんにはまだ黙っている。 「男の子のために何かをするなんてまっぴらごめん」そんなふうに思っていたはずのこのわたしが、最近料理の研究ばかりしているのは、そのひとせいなのだということを、お母さんにはまだ黙って…

日記

たまにはふつうの日記を書こうと思います。別に、今まで書いてきたものたちだって日記と呼べなくはないのですが、なんだかもっととりとめもないことを綴ってみたいような気分になったのです。 今年の夏に高野悦子の『二十歳の原点』を読んで以来、私は日記と…

ホラー漫画のヒロインみたいに

なるんだったら絶対、ホラー漫画のヒロインがいい。例えるならば、窓際の一番後ろの席、憂いを湛えた表情で、いつもひとり本を読んでいる憧れのあの子。長い黒髪が風にゆれる様子は、どこか植物のように可憐で。百合のように白い肌は太陽の光を浴びてますま…

かわいくなりたい

痩せてる子がすきっていわれたらとりあえずその日から毎晩ポテトチップス食べる。太ってる子がすきっていわれたらその瞬間から絶食スタート。ロングがすきならショートに、ショートがすきならロングに。コンタクトにしなよ?じゃあもっとダサイ眼鏡に変えて…

天国

お金も職もないのに蟹を食べてしまうような人間になりたい。自分の器以上の幸福を享受しながら生きること。誰にでもその権利があるのだということをもっと深く、考えるよりも先に実体験として知りたい。私にはまだまだ難しい。 * 最近よく東京へ遊びに行く…

指針

奴隷になるのがすきだ。なにか神様のような存在の足元に平伏して、自分の持っているものすべてを捧げること。具体的な対象も現れないまま、そういう願望だけがずっと根強くあった。恋人よりも献身の宛先がほしい、わたしの主人はいつあらわれるのだろうか、…