大人じゃないもん24

 若い女の子を紹介されたので、軽い気持ちで「私と同い年ぐらいですかね」と言ってみたら、苦笑気味に「いやいや、全然違うよ、あの子20歳になったばっかだよ」って返されて、エッ、アッ、エッ、そうか、そうなのか、私もうそっち側じゃないのか、ってめちゃくちゃびっくりした。いやなんかこちらとしましてはまだまだJCJKと同ジャンルぐらいのノリでいたんですけど、マジかよ。マジですかよ。でもそう言われてみれば確かにわたし来年25歳とかだし、そうなったらいよいよアラサーか。準アラサーとハタチじゃ全然違いますね。てか、違いすぎてやばいね。

 

 大好きな大森靖子ちゃんの曲で『子供じゃないもん17』という歌がある。まあ実際に聴いてもらえばわかると思うから詳しくは書かないが、甘ったるい声で繰り返される「子供じゃないもんせぶんてぃーん子供じゃないもんせぶんてぃーん」の部分が非常にかわいい一曲だ。この曲を初めて聞いた時、私はすでにせぶんてぃーんではなかった。女子高生でもなかった。だが少なくともまだ10代ではあった気がする。それがいまやせぶんてぃーんよりとぅえんてぃーせぶんのほうが近いという現実。これはかわいくない。かわいくない現実だ。どうしたらいいんだ!!

 

 って嘆いたところで時が止まるわけではないのでやめておく。

 

 そもそも私はあんまり自分の年齢を気にしたことがなかった。だって気にしたところでしょうがないし、気にするような歳でもなかったからだ。少なくとも、いままでは。

周りの友達は高校を卒業したり成人式を迎えたりするたびに「ヤバイ」とか「またババアになった」とか言って焦ってたけど、私自身はずっと「何言ってるの?」みたいな態度をとり続けてきた。馬鹿にしているわけではなく、単純に、そういうことを言いたがる気持ちが理解できなかったのだ。年齢なんかただの数字だし、それがちょっと増えたり減ったりするというだけのことにあまり気を取られすぎるのはちょっとどういうことなんだよと思いながら生きてきた。

 

 だから今頃になってこういう食い違いが発生してくるわけですね。納得。

 

 塵も積もればなんとやらとは昔から言ったもので。ひとつ歳をとること自体はたいしたことがなくとも、それが積み重なればけっこういろんなことがアレしてくる。私はちょっとそこんところの認識が甘かったらしい。そしてだからこそこんなに薄らぼんやりした大人になっちゃったのかな、てかなっちゃったんだろうな。後から振り返って考えてみると、もうJKじゃないヤバイとかもう3回生だからババアだよヤバイとかしきりに言っていた女の子ほど今や立派なレディorママになっており、人間が成長していくためには危機感というものが必要なんだということがよくわかる。

 

 それに対し、1年の重みというやつをたいして実感することなくここまで育ってきてしまった私は、ちょっと、というか、むしろだいぶヤバイ。なんかこう、大人として。いろいろ。立派な成人女性として持ち合わせているべき厚み、みたいなものが全然ない。ほんとに。ヤバイよこれは。ヤバイよヤバイよ。ヒトカラでノリノリになりながら子供じゃないもんせぶんてぃーんなんて歌ってる場合ではなかったのだ。とっくに。たぶんだけど、もうずっと以前から。

 

 けどまあ、いまさら気付いたところで遅いな。大切なのはこれからでしょ。ってことで。ハリボテの24歳をどうにかこうにかやっていきたいと思いましゅ。