命のような

命ですと言えないままにジニア枯れ

剥き出しの鉄が線路に滑り込む

すし詰めの電車で鮭になりたいな

隣人の開いた本にカレーの絵

IPHONEの光じゃ世界救えない

着ぶくれて嘘の昭和を思い出す

ポケットに手を差し込めばなぜ桜

同僚に芋をもらって戦後ぶる

この家に足りないものは紅ショウガ

共に住む女の指からミルク臭

牛の肉焼いて若干意味ある死

湯気浴びて大物オーラ醸し出す

バスタブの家鴨三匹手で潰し

あんず飴噛んだわたしの舌噛んで

うつ伏せで寝る大人って変らしい

サンタ帽買って有事に備えたい

サイゼリヤ向かいの席にくまを置く

星三つ画面の奥の痴話喧嘩