夏の裂け目

あなたでないのなら

誰でもいいと思いました

放っておけば

きっと そのうち

風化してしまうことが

どうしても許せなくて

染みひとつない痛みが

永遠に忘れられない痛みが

あなたを理由に感じる痛みが

鮮明な痛みが どうしても必要で

死んでしまった恋へ

すべてを捧げるために

顔のない男と寝た

墓標のように突き刺さった

あの恋が あの痛みが

血のにおいのする夜が

私に若さを諦めさせるたび

私は透き通るほどうれしくて

全身が震えて 鳥肌が立つくらい

苦しくて うれしくて 泣いてしまう

百年経っても 千年経っても

そうでありますようにと

今日もまた 願っています