埋葬予定地

 遊びに出かけた恋人を見送ったあと、しばらくしてから精神の調子が悪いことに気が付いた。部屋を掃除したり、洗濯物を干したりしている間は平気だったのだが、やるべきだと思っていた家の用事をすべて片づけた途端、何かをしようという気力がすっかりなくなってしまい、一時間ぐらい横たわって天井を見つめながら過ごした。せっかくの四連休なのに。

 やりたいことはいろいろあるはずだった。最近お気に入りの音楽を流しながら文章を書くとか、占いの勉強をするとか。でも、体が動かない。かなしいという気持ちが心の底で重石みたいになっていて、一ミリも布団から這い出ようという気になれない。どんなになっても料理だけはするつもりだったけど、お昼ご飯を食べる時間にはまだかなり早かった。

 

こんなに暑い中ひとりでいると失恋して死のうとした十五歳の自分に戻ってしまう。私は本当に気持ちの悪い子供だった。

 

 

 最近また「顔がかわいくなくて死にたい」と思った。二十六歳になっても顔がかわいくないせいで死にたくなるんだな、と自分で自分に驚いた。思春期だけの病気じゃなかったんだ。というより、もしかするといまもまだ思春期なのかもしれない。私は夏で、十五歳で、死にたくて、不細工で、夜はあまい死臭のする女児と一緒に寝るんだ。

 

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 ぐちゃぐちゃの気持ちで作った台湾まぜそばは美味しかった。食べたら少し回復した。