神様がいない世界って
親がいない金曜日の夜みたいだね
あなたと過ごす週末は
時々 大きな声で笑いすぎる
花瓶を倒して気まずくなるよりは
ずっといいかんじだけど
でもね
BIGサイズのポテトチップスと
ストローをふたつ刺したコカ・コーラ
脂肪まみれのピンクのケーキ
パジャマに飛び散った塩素
ひとりぼっちになりたがる片足靴下
パン屑をこぼされた
小さな絵本の中で
わたしは泣きたかった
双子になれない痛みを叫んで
欲しいものがわからなくなったときは
お互いの指に色を塗るのです
重力はくだらなすぎて
あなたを
うまく愛せなかったな
(☆ココア共和国2022年1月号佳作集Ⅲに掲載していただきました)