七月十六日(土)
六時起床。昨日はちょっと昼寝してから夕飯を食べにいくつもりが普通に朝まで爆睡してしまった。十二時間近く寝て意識も体もスッキリ。夫はまだちょっとダルそう。
なぜかゲストハウスのWi-Fiが使えなくなっていたので、足を使って自力で移動手段を調べることに。近くの大通りまで出て自分達が今日乗るべきバスを確認した。
食堂で朝ご飯。手前のサラダが五ユーロ、奥の肉とポテトの皿が十一ユーロぐらい。一ユーロがいま百四十円ぐらいだからけっこな値段。外食はやっぱりそれなりに高くつく。仕組みはよくわからないが無料でパンがついてきた。食べてみると酸味が強い。オリーブオイルによく合う。
食堂の目の前の壁。エッフェル塔やビッグ・ベンの並びになぜか歌舞伎町の絵が。
猫。
街を散策しながら一旦宿に戻る。
チェックアウト後、パグラティに移動して次に泊まるゲストハウスへ。スタッフの人がみんなフレンドリーでたくさん話しかけてくれた。「暑くない?めっちゃ暑いよね」「ポルトガルとスペインはいま四十六度あるらしいよ〜まじやばいよね」みたいな。なんとなくはわかるけど返す言葉が出てこない。ほぼ全部夫が応対してくれた。ここへ来ていまさら「海外旅行 頻出英語」とかで調べ始める。ソーリーアイキャンスピークイングリッシュアットオールって感じだ。
思ったより体力に余裕があったので、チェックイン手続き後アテネ国立考古学博物館へ。
踏みそうになるぐらい鳩がいた。
ここに行くために必要なバスチケットの売り場がなかなか見つからず、かなり時間のロスに。やっぱりSIMカード買っておけばよかったね……と悔いても遅い。でもムシャクシャしながら「こんなんじゃこれから先どうやっていけばいいかわかんないよ!」と言ってる夫を見ていたら逆に落ち着いてきた。三回ぐらい通行人に話しかけてようやく到着。
△浮き出てるところが出土品で他は複製
△アフロディーテ象
△個人的かわいいベスト3
△猫とクロコダイルのミイラ
△古代のさかなちゃん
△がおー
△星座盤
△飲兵衛の墓……ではない
とにかく規模が大きいし広い。
ぼけーっとしてる私に対し、夫は「こういうのってドキュメントを一個一個解読しようとすると時間がかかりすぎるけど、かといってサッと見過ぎてもきれいだなあで終わっちゃうんだよね」と言ってかなり丁寧に鑑賞・説明してくれた。ありがたい。けど途中から疲れてきて最後のほうはほぼほぼ流し見るだけに。五、六時間かけて一周するのが本当のところらしいのだけど、二時間もいずに切り上げてしまった。もったいないけど仕方ない。
それでクタクタになってさあ帰るぞ……と思ったら今度は帰りのバス停がわからない。どっひゃ〜。てっきり博物館の真前から行きと同じ線が出てるもんだと思い込んでいたらそうじゃなかったのだ。と、夫。私はひたすら薄らぼんやりしてその辺調べるの全部丸投げしてたから何にも言えない。こりゃまいったね。暑い中歩き回りながらそれっぽいバスを探してどうにか宿の最寄りへ。インターネットが使えないとどこでも大冒険だな。
七月十七日(日)
七時起床。顔を洗ってゲストハウス近くのカフェで朝ご飯。
風通しがいい外でご飯を食べるの、贅沢だなあ。まだそこまで日が高くないので過ごしやすい。サンドイッチもボリューミーで美味しかった。でも、ギリシャコーヒーって言われて出てきたこれは明らかに……トルココーヒー…………?
内心「?」と思っていたら、「トルコとギリシャは歴史的にめちゃくちゃ仲が悪いんだけど文化的には似てるところも多いんだよね」と夫が説明してくれた。
今後のプランについて話し合ったりしつつ、しばらくのんびり過ごす。
それにしてもギリシャはいい意味で大当たりの国だった。当初の予定ではすぐアテネを出発して、近くの島巡りをメインにやるつもりだったのだが、人は親切だし観光資源も豊富、何より解放感溢れる雰囲気が魅力的で簡単に離れるのは惜しい。だったらもう少し時間をかけて見て回ってもいいんじゃない?というところで夫と意見が一致し、今日はひとまず休息日に充ててあちこち動き回るのは明日以降にすることに。実家を出発してからというものずっと動きっぱなしだったし、この辺でしっかり疲れを取りたい。
宿に戻るとひたすら昼寝した。ギリシャまで来てやることが昼寝って逆に贅沢な気がする。
夜、お酒を飲みに近くのケバブ屋まで。私は数時間前に冷凍ピザを温めて食べたばかりだったので、ワインだけ頼んだ。瓶がかわいい。店員さんがとてもいい人で、私たちのために出来るだけゆっくり英語を話してくれたのがわかった。
△たまたま見かけた日本料理屋
酔っ払って楽しくなったのでその辺を散歩。公園で子供たちがサッカーするところを眺めたりした。時刻は二十時半で、ようやく空が暮れてきた頃。時間だけ見るとびっくりするけど、まだ明るいんだからそりゃ子供も外で遊ぶわなというかんじ。
いい気持ちでのんびりしていたら思いの外ワインの酔いが回ってきていて、危うく潰れかけた。夫に水を買ってきてもらい、落ち着くのを待ってから宿へ。昼寝の次は酔い潰れかあ。全体的にローな一日だった。