八月二日(火)
昨日はすぐ通りすぎてしまった城塞都市をゆっくりお散歩してみることになった。この辺一帯は聖ヨハネ騎士団が築いた街並みをそのままきれいに保存しており、世界遺産にも登録されているとのこと。あれもこれも中世の壁、と思うと楽しい。
紀元前三世紀頃に造られたアフロディーテの神殿跡。こういう遺跡がその辺に普通にある。
花と緑がきれいな街でもある。
猫。
細い階段を降りて城壁の裏側っぽいところに出た。私たち以外に人気がなく、非現実感がすごい。
それにしても大きな城だ。
何か住んでいそうな穴。
空き地みたいなところをずっと進んでいくとチラホラ人の影が見え始めた。突き当たりにあった階段を登って元の通りへ出る。
大きな木の下にあるレストランで昼ごはん。三〜五歳ぐらいの兄弟がこの木に登ろうと頑張っていて、お母さんに止められているところも込みでなんかよかった。これに登るのは確かにロマンだよね。木漏れ日がうつくしかった。
一旦宿に戻りお昼寝をしてから再度出陣することに。たくさん寝たのにまだ寝られる。
夕方頃、散歩がてら騎士団長の宮殿へ。騎士団長って村上春樹の小説か『進撃の巨人』でしか聞いたことのない響きですが……。
こちらは火薬庫の爆発事故で一度崩壊しており、一九三七年にイタリア人によって再建されたものらしい。中に入ってみるとわかるが年代も国もバラバラな出土品・修復物が組み合わせて作られていてけっこうめちゃくちゃな感じ。どちらかというと珍スポットに近い場所かもしれない。
まあでもこれはこれでかっこいい!
中世の世界観が好きな人にはたまらない雰囲気だと思う。入り口の階段なんかはとくに物語のはじまりを感じた。
このモザイクのタイルも別の島から出土されたものだった。
いつ・どこから来たものかはわからないが素敵なシャンデリア、そして椅子。
一周したあとは暮れていく街を軽く散策した。
気になっていた店で晩酌。魚のマリネが美味しかった。
夜の港。たまにはいいよね、ということでらしくない店にも行ってみた。一センチ呑んだだけでもうダメです。