八月三日(水)
早朝に宿を発って港へ。今日で島トリップも最終、いよいよトルコに海路入国する予定だ。島のバカンス感が楽しかったので名残惜しさもあるが、次は次でまた別の刺激が待っていると思うとワクワクする。
ロードス島、きれいだったな〜。海の透明感が群を抜いていたので、ここで泳げたら最高だったかもしれない。
船内に流れるトルコ版・津軽海峡線冬景色みたいな音楽を聴きながら、いざ出港!
△座席の前についているトレーを開けたら知らない人の帽子(前客の忘れ物)が出てきて笑った
船の中ではトルコ語の基本用語を勉強したりした。挨拶する時は「メルハバ」、ありがとうは「テシェキュレデリム」……い、言いづらい……!
しかしこうやってローカルの言語を覚えようとする姿勢は超大切。ギリシャでもそうだったけど、この二語が言えるだけでも現地の人の表情はだいぶ和らぐ。私だって日本語話者ではない人に一生懸命「ありがとう」っていわれたら絶対嬉しいもんな。
午前十一時過ぎ、トルコに入国。ロードス島から一、二時間ほどかけてフェティエという海辺の街に辿り着いた。小さい船だからか揺れがダイレクトに伝わってきて酔いかけていたので早く着いてくれて嬉しい。
△かわいい(?)三輪車たち
△宿近くの断崖/紀元前四世紀頃に掘られた墓
いやしかしあちゅい!
ギリシャもなかなか暑かったけど、湿気がない分過ごしやすかった。その点トルコは歩いているだけで全身が水になりそう。日本の梅雨の晴れてるバージョンみたいな気候だ。
宿にチェックインしてしばらく休んだあと、昼ご飯を食べに近くのロカンタ(トルコによくある大衆食堂)へ。わ〜!半月ぶりのお米だ〜!ピラフ風に味付けがされており、食感も日本の米とは微妙に違うがそれでも米は米。気が狂うほどチーズが好きだから毎食サンドイッチでも構わないと思っていたけど、いざ目の前にするとやっぱり嬉しい。
写真手前のキョトフという料理(ミートボールのトマト煮込み)もホッとするやさしい味でよかった。説明が難しいのだがトマト味なのに肉じゃがみたいだった。
食後のチャイ。「それ死ぬほど濃いよ、濃いお茶に砂糖をドバドバ入れて飲むのがトルコ流なの」と夫に教えられ(嘘かもしれない)、素直に従って角砂糖を七、八個入れたらやりすぎと笑われた。でも美味しいよ。
そして何より素晴らしいのはその安さ。これだけいろいろ出してくれて全部で一七五トルコリラだった。一トルコリラが七円ぐらいなので、日本円に換算するとだいたい千三百円とか。体感物価が急にギリシャの二分の一になった。これはテンション上がる。
お腹がいっぱいになった後はフェティエの街を散策……するつもりがあまりにもあちゅい!ので途中で諦めて退散。体が慣れるまで時間がかかりそうだ。
涼しくなってきた夕方頃を狙って近くのカフェでお茶。笑顔のすてきなおじいさんが自家製のケーキを出してくれた。来て三秒で常連になりそうなぐらい美味しい。
ここへ来る途中、軽トラの荷台に乗った半裸の若者三人組が「「「ウェーイ!!ヒュー!!!」」」みたいに言いながら去っていってめっちゃウケた。ウチらも乗りてえ。
トルコはイスラム圏の国だし、もっと閉鎖的というか、宗教色が濃いのかな?と思っていたのだけど、とりあえず初日に得た感触としてはけっこう開放的な雰囲気を感じた。フェティエはトルコの中でも観光色が強いエリアなのでよりいっそう大らかなんだろうなあと思う。もちろん街にはスカーフを纏ってる女性もたくさんいるし、スーパーではあまり堂々とお酒を売っていなかったりするけれど、だからといって特別暗い空気感はない。
最初は慣れない街の風景に戸惑っていたけど、いいところそうでよかった!
八月四日(木)
正午近くになって目が覚めた。本当は海に行く予定だったのだが、二人とも微妙に疲れているので断念することに。
人気のビーチはバスで四十分ぐらいかかるらしいし、行きはともかく帰りにまた汗だくになって宿まで戻ることを考えたらよしてもいいかな……という話になった。ここまで暑いともはや海に入りに行くのもつらい。結局クーラーの効いた部屋が最強ってなってくる。
昨日と同じ大衆食堂でご飯。アイラン(塩味のヨーグルト飲料)に初挑戦してみた。話には聞いていたけど独特……!正直そんなに美味しくはない。けど、繰り返し飲んでいくうちに癖になっていきそうな予感はある。ケバブと一緒に飲むと美味しいらしいので今度試してみたい。
キョフテとピラフは相変わらず美味でした。
宿に帰った後はまたひたすらに寝た。暑いからなのか体力の消耗が激しい。
夕飯。トルコはスープ専門の飲食店がけっこうあるらしいと聞き、試しに行ってみることに。私はケレパチャという羊の頭を使ったスープを頼んでみた。出汁がしっかりきいていてコクがある。あんまりゲテモノという感じはなく、味付け自体はシンプルな塩味で飲みやすかった。お肉も柔らかくて食べやすい。
△トルコのスクールゾーン標識
想像していた以上の暑さにバテてしまい、結局食っちゃ寝の生活に……。どんなにいい街でも出歩けないんじゃしょうがない。今日は今後の旅程を変更する必要性について話し合って終わった。