スコピエ 猫みたいなおじさんたち

八月二十一日(日)

 目を覚ますとすっかり雨が上がっていた。軽くシャワーを浴びて、残っていた林檎とパンを蜂蜜につけて食べる。食材を買いすぎた疑惑があったけど、無事に消化し切ることができてよかった。

 

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 十一時過ぎ、宿をチェックアウト。約束通りオーナーさんの車に乗せてもらい、再びソフィアの街へ向かう。この二日間は本当に素晴らしい滞在だった。プラーナの村に改めてありがとうと言いたい。

 

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 鉄道を乗り継いで大きなバスターミナルにやってきた。今日はここから北マケドニアの首都・スコピエまで移動する。この旅三回目の国境越えだ。

 チケットを買った後、お昼ご飯を食べながらバスの発車時間を待った。

 

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 十六時、ソフィアを出発。さようならブルガリア。穏やかで落ちた着いた雰囲気の良い国だった。

 

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 途中トイレ休憩も挟みつつ、ニ時間程かけて無事北マケドニアに入国。

 出入国審査の際にバスを降りたら雨が降っていて、めちゃくちゃ肌寒かった。温度計の表示は十八度。秋口かよ。

 

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 国境を抜けてすぐの道。こんな感じで荒涼とした景色がずっと続いている。そもそも北マケドニアがどういう国かよく知らなかったのだが、想像以上の整地されていなさに少し吃驚した。悪天候による印象への影響も大きいとは思うが、すごく寂れた雰囲気だ。カザンラクに行くまでの道のりを思い出した。

 

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 晴れてきた。最初はどうなることかと思ったけど、先へ進むに連れて目に触れる景色がのどかになってきた。

 

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 スコピエに到着。さすがに首都は栄えている。

 

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 宿にチェックインして近くのレストランでハンバーグを食べた。今日はもうシャワーを浴びて寝るだけ。明日は周辺を軽く観光して、午後にでもまた次の街へ移る予定だ。

 

八月二十二日(月)

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 起きてすぐに行動を開始。甘い香りにつられてケーキ屋さんに辿り着いた。軽く朝ご飯を食べながら、しばらくのんびりして過ごす。

 

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 そのままの流れで旧市街の方を散策することに。何も調べてなかったのだが、巨大なバザールがあるのを発見した。興味を引かれるままにいろいろ見てまわる。

 

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△トマト三キロで百デナル(約二百円)


 北マケはヨーロッパの中でも極端に物価が物価が安い……というか、国時代が少し貧しいのだと思った。しかし不思議と荒れている雰囲気はなく、わりとピースな感じ。

 

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 化粧品が売られているのを見かけて思わずアイシャドウをひとつ買ってしまった。荷物になるのは分かってるんだけど、二百円ぐらいだし気に入らなかったら捨てればいいや〜ぐらいの気持ちで。異国にいると普段は使わないような色を使ってみたくなる。

 

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 いい雰囲気の喫茶店があったので思わず一杯。ローズレモネードを頼んでみた。しっかり薔薇の味がする。

 店先で地元のおじさんたちが駄弁ってるところを眺めていたら、別のおじさんがニコニコ顔で近寄ってきて、気がついた時には人数が五人ぐらいに増えていた。羨ましい。私もそうやって猫みたいにゆるく集える場所がほしい。

 

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△餌の気配を察知した瞬間


 猫。

 同じ場所に何匹もいるからどうしたんだろう?と思ったら、近くのアパートの窓からおばちゃんが餌を投げて与えていた。それが目当てか。

 

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 次の街・オフリドへ移動するためにバスターミナルへ。

 チケットを買って近くの飲食店でご飯を食べていたら、親切なお兄さんがおすすめの観光地についていろいろ教えてくれて、なんと最後にSIMカードまでプレゼントしてくれた。なんで?!嬉しさもさることながら驚きが大きい。「タダだった」と言うけど絶対気を遣っての嘘だよな……。とにかくありがとう。二人で何度もお礼を言って別れた。


 十二時半、バスに乗車。

 

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 三時間かけてオフリドに到着。めっちゃ住宅街。

 

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 疲れていたので今日はここまで。