シュコダル/サラエボ 崖っぷちドライブ

九月八日(木)

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 今日でテスの村ともお別れ。バナナを食べながら宿の周辺を散歩して、昨日と同じカフェでエスプレッソを飲んだ。

 

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 十一時、宿の前までシュコダル行きのバスが迎えにきてくれた。親切にしてくれた宿の人たちと犬(猫は姿が見えなかった)にお礼を言って乗車。温かい雰囲気の良い宿だった。

 

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 さようなら!

 

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 ギリギリの道を攻めていくドライバー。

 この辺からシュコダルの宿に残してきたバックパックのことが急に心配になり始める。私は特に盗られて困るものは置いてきていないので、荷物丸ごとということさえなければ別に良いのだが……。



 十四時。バス酔いで気持ち悪くなりながらもシュコダルに到着。

 

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△さかなちゃんのかわいいバックパック


 宿で荷物の無事を確認。

 今日はこのままここで一泊するので、ひとまずチェックインだけ済ませて空腹を満たしに外へ出た。

 

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 山を登る前に行って気に入った店を再訪。アルバニアを出た後は北へ行けば行くほど物価が上がっていくこと請け合いなので、今のうちにと少し贅沢をした。

 

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 猫。

 明日は丸一日かけて国境を二つ越え、ボスニア・ヘルツェゴビナのサボエラまで行く予定だ。宿に戻るとすぐシャワーを浴びて、ベッドで横になった。

 

八月九日(金)

 明け方頃、猫が鳴く声で一度目が覚めた。見ると宿の飼い猫がベランダから部屋に入ってきている。おいでおいですると私の布団の上に乗ってきたので、しばらく遊んでからいっしょに寝た。

 

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 起きたらいなくなっていたのだが、身支度をしてる時にまたひょっこり。かわいい。朝から癒された。

 

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△よく見かけるパッケージのクロワッサン


 七時には宿を出発してバス停へ。野良犬たちといっしょにポドゴリツァモンテネグロの首都)行きのバスを待った。

 

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 七時五十分、バスに乗車。走り始めてすぐ雨が降り始めた。あと、牛が堂々と道を歩いている。ちょっと街から外れただけなのに……。

 

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 絶望、みたいな天気。

 



 九時。アルバニアモンテネグロ間の国境を越えた。

 当初の予定ではモンテネグロにも何日か滞在する予定だったのだが、この後控えている諸々を考えると時間に余裕がなくなってきたため、今回はスキップ。今日のうちに出国してしまう。


 全然関係ないけど、アルバニアラテン語のalbus(白い)を語源に持ち、全体で「白い土地/山」を意味するのに対し、モンテネグロは「黒い山」をイタリア語のヴェネツィア方言で現したもの。近隣に位置する国としてこの対比はおもしろいなあと思った。

 

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 十時。ポドゴリツァのバスターミナルに到着。ここであと三時間待たなくてはいけない。

 

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 ハンバーガーをテイクアウトして食べた。サブウェイ形式で好きな具材を入れてくれる。めちゃくちゃでかい。

 

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 夫が見つけてきた喫茶店&バーで休憩。雰囲気がある。すごい笑顔のお姉さんが迎え入れてくれた。

 

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 バスターミナル周辺をお散歩。なんとなく懐かしい感じのところだ。モンテネグロ自体がそこそこ最近できた小さな国だからか、首都なのに地方都市感があってわりと好きだと思った。

 

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 十三時半。市場で林檎を買ってからサラエボ行きのバスに乗車。

 

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 黒い山。

 

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 十七時、本日二度目の国境越え。ボスニア・ヘルツェゴビナ……の中にあるスルプスカ共和国へ突入した。

 歴史上のいろんな事情(独立を巡った血みどろの戦争など)があって簡単に説明するのは難しいのだが、ボスニアは現在二つの構成体「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」と「スルプスカ共和国」から成り立つ連邦国家であり、このボーダラインはそのうちの後者・スルプスカ共和国に属する領土……ということらしい。実際、国境を越えてすぐの看板にも「Welcome to Bosna」ではなく「Welcome to Srpska」とあった。

 

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 昨日のテス・シュコダル間以上にギリギリの道。ほとんど一車線の悪路を対向車とすれ違いながらゆっくり走っていく。

 

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 十八時。ここでようやくトイレ休憩が入る。四時間以上なかったのは初めてだ。みんなよく漏らさないなあと思った。私も漏らさなかった。大人の自制心ってすごい。お腹を空かしていたらたまたま同じバスに乗っていたおばあちゃんがチョコレートケーキを分けてくれて嬉しかった。

 

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 二十時。スルプスカ共和国の端っこにあるバスターミナル到着。歩いてボスニア側まで行き、市の中心に行けるバスを探した。


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△ラテン橋


 第一次世界大戦のきっかけになったサラエボ事件が起きた場所。最初の飛行機の中で観た『キングスマン ファースト・エージェント』にも出てきたなあと思った。このタイミングで伏線を回収。

 

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 きれいな街並み。想像していたよりもずっと洗練された雰囲気の大きな都市だった。

 

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 二十一時半。スープを飲んで今日はおしまい。