十月二十日(木)
カミーノ巡礼二十二日目。今日は……歩かない!いま滞在しているレオンの街で遊んで、もう一泊だけする。毎日休みなく歩き続けていい加減疲れてきたし、そろそろがっつり休みたくなってきた頃合いだ。この日のことは前々からずっと楽しみにしていた。
レオンはいろいろ揃っている大きな街なので、今日のうちに溜まっていた雑用もこなしたい。
とはいえアルベルゲは原則的に連泊が出来ないため、朝ご飯を食べたらひとまず荷物を持ってチェックアウト。
※怪我をしている、体調が悪い等どうしても止むを得ない場合は頼めば連泊させてもらえるはず。
八時半。奇跡的に今日泊まる宿へ荷物を預けることができた。久しぶりに手ぶらで街を歩く。七、八キロはあるバックパックが背中にないと、それだけで飛べそうなぐらい体が軽かった。
△レオン大聖堂
レオンの有名な大聖堂。時間が来るまで中には入れないので、とりあえず近くのカフェで暇を潰すことにした。ここにはあとでまた来る。
オレンジジュースを頼んだらおまけでパイを出してくれた。優しい。
十時。いい時間になってきたのでそろそろ行動を開始する。
一週間ぐらい前に失くしたイヤホンの替りを買ったり、海外旅行保険の契約書を印刷屋でコピーしたりした。最初の三ヶ月はクレジットカード付帯の保険があったのが、とうとう期限が切れたため。いつ何があるかわからないので本当はもっと早く準備した方がいい。
レオン大聖堂再び。社会科見学に来たたくんの子供たちが入り口付近でモコモコしていた。
大聖堂正門の彫刻。この時点でもうすごい。
拝観料を払って中へ。無料のオーディオガイドもあるようだが日本語版はなかった。
この大聖堂の特徴でもある、世界最大級のステンドグラスコレクション。
この旅が始まってからいろんな教会を訪れたけど、こんなにたくさんのステンドグラスを一度に見ることができたのは初めてだ。アーチ型の天井も美しい。しばらく座席に座って眺めたり、この旅の無事を祈ったりして過ごした。「兄弟の愛を持って互いにいくつしみ、進んで互いに尊敬し合いなさい」。
キリスト生誕像。ルネッサンス以前の芸術品はなんとなく作画がかわいいんだよな。
聖歌隊席の彫刻群も見事だった。これはモーゼス。
今までの人生でも何度か聖書を読もうと思ったタイミングはあるけど、さすがにここまで来ちゃったら本当にやっていかねばな……みたいなことを話しながら大聖堂を後にした。
△ファンシーショップに並ぶアボガドのぬいぐるみたち
お昼ご飯は昨日行ってやってなかったインドカレー屋に再チャレンジ。開店までしばらく時間があったのでその辺の雑貨屋や服屋を見て過ごした。
生活に必要な最低限のアイテムしか持たずに旅してるから、こうやってかわいいだけの物を眺めてるだけで癒される……。
一時は雨がちらついていたが、なんだかんだで晴れた。歩きやすい気候だった可能性がある。
十二時半。開店と同時にインドカレー屋へGO!
待った甲斐あって美味しかった。といっても、日本で食べるインドカレーとそんなに大きな差はない。そこがまた良かったのだと思う。求めていた物を味わうことができた。結局ナンだけでは物足りず、ライスも追加で注文して完食。お腹いっぱいになった。
食べ終わる頃にはちょうどいい時間になっていたので、再び今日の宿へ。そしてお昼寝。とてもいい日。
夜。宿のオーナーがおすすめしてくれた店で晩酌。二人で旅する楽しさを改めて確認し合い、これから先のことについて話した。
二十一時。まだ飲み足りなかったので二軒目!
明日のことを考えるとそんなに夜更かしもできないのだが、たまにはいいだろう。今日はいつも疲れてできないことがたくさんできて楽しかった。