カミーノ 踊れるぐらいの元気さ

十月二十六日(水)

 カミーノ巡礼二十八日目。今日も二十五キロ歩く。二十キロだと身体が鈍るし、三十キロは疲れて何も出来なくなるので、このぐらいの距離がいちばんちょうどいい。

 

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 八時過ぎ。出発してすぐにかわいい壁を発見した。エジプトの神様たちが巡礼してる。せっかくなので先頭の位置に立って夫に写真を撮ってもらった。これは並びたくなる。

 

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 宿を出るのがいつもよりちょっと遅かったので、歩き始めて間もなく日が昇り始めた。この後どうなるかはわからないけど、とりあえずいまのところは晴れている。

 

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 いい空。暑かったので久しぶりに半袖になった。

 

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 道の向こうに山が見える。この辺は山が多い。

 

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 というわけで今日明日は山登り。十日ぐらい前に宿で見た図の、ここの部分をいよいよやる。山の麓や中腹にもいくつか町があり、今日はそのうちのどこかに泊まることになる。が、一気に登るわけではないにしても山越えは山越え。いろいろ覚悟しておこうと思った。

 

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 空がきれい。

 

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 山が控えているので坂道が多い。振り返るとけっこう高いところまで来ていた。まあ、今日は助走みたいなものだと思っておこう。

 

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 十時。九キロぐらい歩いたところで休んだ。チュロスを頼んだら甘くなくてびっくり。塩っぽい味もアリだなあと思った。

 

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 これは顔ハメに出来そうなピザの看板。夫に言ったら「そう?どのへんが?」と言われた。サラミのところです。

 

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 薬局で夫の虫刺され跡に塗る薬を買ったりしつつ、十一時半には町を出た。ダニのこともあるが、それ以外にも風邪らしき症状が出ていてあまり体調が良くなさそうだ。

 辛かったら無理はせず、目的地より手前の町で泊まったり、多めに休憩を取ったりしようと二人で話した。

 

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 山の手前にきれいな家が並んでいるのがリゾート地っぽくて、なんともいえない懐かしさを感じた。子供の頃に家族で行った秋の行楽旅行を思い出す。

 

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 相変わらず緩やかな坂が続く。

 

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 大きな高架下を通り抜けた。田舎の大きな道路沿いを歩いている感じが良い。

 

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 しばらくして小さな寂れた町を一つ通り過ぎた。

 

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 二人とも疲れていたので休憩。わんぱくなのでこの上に座ってパンを食べた。高いところに腰を下ろしている感覚は楽しいけど、ちょっとバランスが取りにくい。

 

 夫の体調はやはり芳しくなく、二十分以上休んでもそんなに疲れがとれなかったと言っていた。

 

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 かなりしんどそうな顔をして歩いているので、相談して次の町で宿を探すことにした。順調にいけばあと三十分ぐらいで着く。なんだかんだ言っても十八キロは歩いた。

 

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 着いた!

 が、時期的にもう閉めてしまっているアルベルゲが多く、三軒連続で門前払いされる結果に……。

 最終的には町の入り口まで戻ってようやく空いてる宿を見つけた。無事チェックインできて一安心。ここがダメだったら四キロ先の町まで歩かなくてはいけないところだったので、本当に命拾いした。

※小さなアルベルゲだと十月末で閉めてしまう場合が多い。冬季は客数が減るため。

 

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 十八時。昼寝してちょっと回復した夫といっしょに近所のバルへ。体調が悪い時は適当に買って済ませるのがいちばん良いのだが、町に適当なマーケットがなく、外で空腹を満たすしかなかった。

 しかし結果的にすごく良い雰囲気のお店を見つけることができて満足だ。

 

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 料理も美味しかった。夫はカレー、私はシャクシューカという中近東料理を頼んだのだが、どちらもmuy rico!

 シャクシューカはトマトソースの上に卵黄を落として焼いたもので、わかりやすく説明するとサイゼリヤの煉獄のたまごみたいな感じ。上に乗っているパクチーの風味が全体と絶妙に合ってよかった。一日の終わりに良い食事ができてとても嬉しい。

 

 夫も美味しいカレーのおかげで店を出る頃には踊れるぐらい元気になっていた。まだ油断はできないけど、ちょっと安心だ。明日には良くなりますように。