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カーテンはまだない
狭い台所で
誰とも心が通わない時間を待っていた
9階から見降ろす街は
どこかに病院を宿している
あちこち散らばる青い非常灯
白すぎる廊下の影
鼻を刺激するアルコールの匂い
そういったものたちの羅列
こんなところに教会を産まないでほしい
昼間
盗み損ねた林檎を
野菜室にしまおう
それで少し気が晴れるなら
時計は動いていた
しかし
この部屋に腐りかけのものはない
あるものはすべて
新しすぎるか
最初から欠けている
道徳はきらい
手首に増えた皺
私が上手に火を扱えるのは
白昼夢のなかだけだ
明日 隣人を愛そう
幼さをゆるすときの軽やかさで
ボールの放物線
破裂音
暗転
月
おしまいの音楽