さかなちゃんは占い師になれるのか?面接編(1)

 電話占い師の面接前日、ふと「いくら占い業界という少々浮世離れした世界の話とはいえ、会社側からすれば人を雇うために設けている時間なんだし、普通の面接対策も必要なのでは?」と気が付いた。天啓である。


 そこで早速仕事帰りに文房具屋へ立ち寄り、ノートとメモ帳、システム手帳を購入することに。

 メモ帳は走り書き用に、ノートは面接で聞かれるだろう受け答えや、今後の勉強計画の他、興味深いと思った占い結果をまとめる用に使う予定だ。また、手帳に関しては占い業を始めるにあたってスケジュールが混乱しないよう気をつける必要があると思って買った。あまり友達が多くなく、日頃はたいした用事も入らないので本来は持たない派だ。


 集中して物事を考えたい気分だったので、まっすぐ家には帰らず大好きなコメダ珈琲店へ。そして今回もまたコーヒーフロートを頼んだ。


 「なぜ占い師になりたいのか」「なぜこの会社がいいと思ったのか」「週に何日、何時間ぐらい働けるのか」「現在のスキルと今後身につけていきたいと思っている占術について」等々。コーヒーを飲みながら、思いつくままに書いていく。


 あとで調べてみたところ、電話占いの面接では試しに鑑定だけやってみせて終わりであることが多いらしいのだが、こうして机に向き合いながら自分の現状を把握し直すのはいいことだと思った。


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 ノートやメモ帳に自分の考えを書き出していると、色んなことを詰め込みすぎてパニック寸前になっていた脳がゆっくり整理されていくように感じた。


 一例として占いに関する今後の勉強計画を書くと、


・一次面接が終わったら今積んでいるタロット関係の本を読む。(〜6/27)

・使えるスプレッドの種類を最低二つ増やす。(〜6/27)

・西洋占星術の勉強を始める、簡単にでもいいのでホロスコープを読めるようになる。(6/28〜次の面接まで)


 こんなところだ。これにもう少し大きな視座から見た目標を付け加えると、


・何にせよ場数を踏みたいので今回落ちたとしても諦めない。まずは占い師としてデビューする。(半年以内)

・どうせやるからにはある程度稼ぎたい。最初の目標は月三〜五万円ぐらい。日中も働いているためあまり無理はできない。

・最終的には占い師を本業にしたい。(来年中?)


 などがあげられる。


 正解らしい正解が用意されていない世界だし、いくら勉強しようと足りるということはないだろうから、大まかなアウトラインだけ捉えたらそれ以降は「〇〇を覚えてから/できるようになってからデビューしたい」という考え方を禁止にしようと思った。まずはやるのである。


 考えるべきことをすべて考えた後はちまちま啜っていたコーヒーを一気に飲み干して店を出た。気分がいい。今日は早めに寝ると思う。