ヒマラ 嵐のあと

九月一日(木)

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 今日もケーキ屋さんで朝ご飯。夫はチョコクロワッサンを、私はトレスレチェという名前のケーキを試しに頼んでみた。ミルクに浸したスポンジの上にカラメルがかかっていて、さっぱりとした甘さが美味しい。調べたところ、特にアルバニア伝統のケーキというわけではなく、メキシコ・中米が発祥のお菓子らしい。

 

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 九時から海。さすがにまだ人影は少なかった。とはいえ気温的にはもう全然入れる。夫はお腹のあたりまで浸かったところで「冷たい!」ギブアップしていたが、私はもう思い切って頭まで潜ったりした。今日は開き直って最初からメイクもしてないので(どうせ汗で落ちるもの〜)気楽なものである。

 

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 あとは昨日に引き続きシーグラス拾いをして遊んだ。たまたま鞄の中に入っていたノートと糊で保管用の袋を大・小と作成。これでテントに帰るまで失くす心配がなくなった。

 

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 気がついたらまた海に時間を吸われていた。十三時半過ぎ、ようやくお昼ご飯。大したことはしてないはずなのに疲れた。

 

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△左が今日/右が昨日の分


 テントに帰ってこれまでの成果を振り返る。全部でどれだけ集まったかワクワク。

 

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 じゃーん!!

 けっこうな量になりました。これっきりでもうやめようと思っても、泳いでいてふいに見つけるとついスイッチが入ってしまい、気がついたらこんなにたくさん集めてしまった。夫にそう話したら「パチンコみたいだね」だってさ。失礼な。拾ってる最中、緑と白以外のシーグラスも欲しいなって思ったけど、自然はそんなに都合のいい存在じゃないなってすぐに考え直した。きれいなものを見つけた端から波に攫われるのもそれはそれで楽しいよ。

 

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 さすがにもういいかなと思ったので日付と場所を書いて封をした。明日はまた別の遊び方を考える。

 

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 こっちは食パン柄の石。あまりにも出来すぎなのでもしかしたら石じゃないのかもしれない。

 

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 夜、夫がピザを買ってきてくれてテントで食べた。

 

九月二日(金)

 昨夜は嵐だった。夜中に夫が動く気配で目を覚ますと、外は大荒れ、ものすごい勢いで風が吹きすさんでいる。時々遠くで雷が光るのも見えた。どうやら夫は外で干していた洗濯物が飛ばされないよう、急いで取り込んでくれたらしい。私は全然外の異変に気が付かなかったのでとても助かった。

 結局その後三十分もしないで嵐は通り過ぎ、ゆるやかな雨に変わっていったのだが、テントが風で飛ばされたり壊れたりしないだろうかと冷や冷やした。ただでさえ崖っぷちに寝ているのでスリルがある。


 そんなこんなで朝。

 嵐の後だからか、今日はいつもより気温が低いみたいだった。昨日まで立ってるだけで汗がダラダラ出てくるぐらい暑かったのに、今日はなんだか夏の終わりのような雰囲気を感じる……って、数週間前にブルガリアでも感じたけどな、夏の終わり。何回終わるねん。行く国によってけっこう気候が違うので、まだ油断はできないと思った。

 

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 泳げるかどうかはわからないがひとまず水着になってビーチまで降りた。さすがに泳いでいる人は少ない。でもそのぶん長い時間浜辺でダラダラ出来そうだと思った。こういう海の楽しみ方も悪くない。

 

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 ビールを飲みながらポテトチップスを食べた。ちょっと酸っぱくて、日本ではあまり食べたことのない味だ。

 

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 ピックみたいな石を拾った。夫に渡したらギタリストの真似をして、「おれはロックがやりてえんだよ!」と言うので、「二重の意味でね」って思わず笑った。

 

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 ひたすらダラダラ過ごした後はもうお昼ご飯。ザジキ(ヨーグルトにニンニクやきゅうりを加えて作られたディップソース)がクリーミーで、ほとんどチーズの域だった。直近の旅のプランについて話しつつ、腰を落ち着けてのんびりとする。

 

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 十四時半。ようやく日が照ってきたので再び海へ。

 最初は水が冷たくて無理かもと思ったのだが、地元のおばちゃん二人組にジェスチャーで「思い切って肩までいっちゃいな!」と言われ、勇気を出してドボン。気持ちよかった。夫がいつまでも躊躇ってるので、お手本に「おれは男だ!!」と宣言して勢いよく頭まで潜ってみせたが、ぜんぜん乗ってくれず。この野郎〜となった。まあでも、そんなことをしているうちに勝手に体が慣れたみたいだ。二人で平泳ぎの練習をして遊んだ。

 


 十六時近くになってようやく撤収。休憩中、所用があって母に「こっちはまだ暑いから海入ってるよ」とLINEを送ったら、絵文字付きで「サメとかクラゲとか大丈夫なの?」と返信が来て笑った。大丈夫だよ。

 

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 水の中は疲れる。私、魚じゃないんだな。泳いでるときは平気だったのに、いざ引き上げてみると身体がすごく重たくて、結局一時間ぐらいテントの中で寝た。起きてみるとさすがに空が暮れ始めている。向こう側の島にかかってる雲がやけに低い位置で浮かんでいて、なんか気になった。

 

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 昼間の店で晩酌。パスタを食べ終わった段階で二人ともまだ小腹が空いていたので、ワインとおつまみを追加。夫が「これ以降食べられないであろうものを注文してきた!」というので何かなあと思って待っていたら、ギリシャ料理のサガナキ(チーズを揚げ焼きしたもの)が出てきた。ナイスセレクト!