七月十八日(月)
昨日の話通り、アテネにもう少し滞在して今度はアクロポリス(紀元前五世紀頃建てられた古代ギリシャの遺跡群/岩肌が露出した丘の上にある)へ行くことに。ギリシャに来たらここは絶対外せない。らしい。私は基本的に「とりあえず行ってみてから考える」というスタンスで、つい数日前までは夫に「アクロポリス行こうよ」と言われてもいまいちよくわかっていなかったのだが、ちょっと調べてみたら俄然テンションが上がった。というかギリシャ行くのにこれ知らなかったのやばくない?
アクロポリスと一言にいってもそれ単体だけではなく近隣に周辺遺跡が散らばっているため、日を分けてゆっくり全部見て回る(か、体力的にしんどそうならいくつか諦める)ぐらいのつもりで計画を立てた。共通チケットは五日間有効で三十ユーロ。これで主要な遺跡七つを全部巡ることができる。
(複数見る場合は割高になるが、各遺跡ごとに入場チケットを買うこともできる)
八時の入場開始に合わせて宿を出発。最初はメインのアクロポリスから巡ることになった。入場直前、夫に向かって「これから行くアクロポリスって、つまりアクロポリス周辺遺跡のうちのザ・アクロポリスってこと?」と再確認。夫は優しいので呆れることもなく「そうだよ〜」と言ってくれた。
初日に泊まった宿の屋上からも遠くから確認できたけど、近くで見上げてみるとやっぱ迫力が違う。見晴らしの良さや規模からして他の遺跡群よりも人気なのか、着いた時にはもう入場の列ができていた。どことなくテーマパーク感がある。
△ディオニソス劇場
△ イロド・アティコス音楽堂/向こうに見えるのがアテナ市街
△プロピュライア(前門)近く
△エレクティオン神殿
△頂上からの眺め
とにかく絶景!
ずっと見ていられると思った。海を見てるときの気持ちで街を眺めるのは生まれてはじめてかもしれない。歴史的な価値や意味を抜きにしてこういう感想しか出てこないのはどうなのかなあと思う気持ちもありつつ……。夫が英文を解読しながらいろいろ解説してくれたけど、視界から入ってくる情報量の方が圧倒的に多くてあまり覚えられなかった。
次、ローマ時代のアゴラへ。アゴラ=市場という意味なので、ここは当時(紀元前一世紀~紀元後二世紀)の市民たちのための場所ということになる。近接するアテナイのアゴラの後に造られたものらしい(だから本当はそっちを先に見るべきだった)。
△アテナ・アルケゲテス門
△門を入ってすぐの景色
「ここ、クレオパトラとの恋愛で知られるユリウス・カエサルが建設に携わってるんだってさ」「カエサルって軍人(正しくは政務官)なのに詩の才能もあったらしいよ」という夫の発言から、「それって現代に例えると現役スポーツ選手なのに実は歌もギターも超うまいみたいな感じ?モテそうだね」「いや実際モテたらしい」という話になったのが面白かった。
アクロポリスを出た時点でだいぶ体力が消耗していたのもあり、ここはサッと見るだけでおしまいに。
猫。アテナイのアゴラを目指して歩いている時にすれ違った。
△ヘーパイストス神殿
△猫は立ち入りオッケー
ギリシャで一番保存状態がいい神殿らしい。アテナイのアゴラに入ってすぐ右手側に見える。
遠くにアクロポリスを望むことができてかなり見晴らしがいい。
△アッタロスの柱廊(復元)
△一階
△ニケの像
△二階から見た景色
写真にあげた以外も、当時の市民の生活が想像できるような遺跡がたくさんあってよかった。撮り損ねてしまったけど、ひとつだけ大きく年代の違うキリスト教の建物があったのも興味深い。
力を振り絞って最後、ハドリアヌスの図書館へGO。
△入口付近の柱
△図書館……ではなく、図書館建設から時代を隔てて建てられた教会の跡
△こちらが図書館跡
ここは本好きな私たちにとっては重要な場所だね〜、と夫と話しながら後にした。
☆
アクロポリスから離れた後、荷物を取りに一旦前の宿へ戻った。その足でバスを使って次の宿に。仕方ないとはいえ移動続きで疲れたー!
他にもいろいろあった(バス停でかわいいおじいちゃんに話しかけられたり、宿のホスト一家がめちゃくちゃ親切でスイカやクッキーやマカロニを振舞ってくれたり)けど、とりあえず今日はこの辺でおしまい。
△この旅初・自炊にチャレンジしたりも